マネルト

この記事を要約すると・・・

AIエージェントとは「目標達成に必要な一連のプロセスを自律的にこなすAIツール」のこと
生成AIとの違いには「自律的な行動」が挙げられ、ユーザーが実際に利用するインターフェースを用いて、自発的に情報収集したりサービスを利用したりすることが可能
一般的なサービスの中で注目すべきAIエージェントは「①Operator」「②Manus」「③Proxy」の3つ

近年、OpenAIのCEOサム・アルトマン氏が「2025年中にAIエージェントが企業の生産性を劇的に向上させる」と語ったことから、AIエージェントに対する社会からの関心が急速に高まっています。

ChatGPTなどの生成AIに続く新たなトレンドとして注目されるこの技術ですが、「AIエージェント」とは具体的にどのようなものなのでしょうか？

本記事では、AI初心者でも理解しやすいように、AIエージェントの特徴や生成AIやAGIとの違い、メリット・デメリット、そして実際のサービスや活用例についてわかりやすく解説します。

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AIエージェントとは？
1. AIエージェントと生成AIの違い
2. AIエージェントとAGIの違い
AIエージェントのメリット3選
AIエージェントのデメリット2選
1. ①精度や対応力の限界
2. ②倫理的・プライバシー上の懸念
AIエージェントのサービス3選
AIエージェントの使用例3選
AIエージェントまとめ

AIエージェントとは？

AIエージェントとは「ユーザーが設定した目標に向かって自律的にタスクを実行するAIシステムのこと」です。

例えば、「旅行の計画を立ててほしい」という依頼を受けると、必要な情報を集め、日程を組み立て、さらには航空券やアクティビティなどの予約手続きまで自動で行う、といった一連の作業をこなします。

従来の単純なチャットボットとは異なり、AIエージェントは実行した結果を踏まえて次のアクションを自ら判断するため、「人間の代わりに働く頼れる存在」と言えるでしょう。

主要な特徴は、以下のとおりです。

＜特徴①自律性＞
一度目標が設定されると、AIエージェントはユーザーからの細かい指示を待たずに、状況に応じた最適な判断を下しながらタスクを進行します。サービスへのアクセス時には、人間に「ログインID」や「パスワード」の入力を求めますが、いずれは当該の確認作業も不要となるかもしれません。
＜特徴②連携性＞
複数のシステムやツールと連動し、ウェブ検索やデータベースへのアクセス、さらには外部サービスとの連携など、多岐にわたる作業を実行します。
＜特徴③実用性＞
単なる会話生成だけでなく、具体的なアクション（例：予約、注文、情報整理など）を実現する点が大きな魅力です。AIエージェントに“疲労”や“労働時間”という概念は存在しないので、指示さえあれば24時間黙々と作業を続ける優秀な作業員になる可能性も秘めています。

なえむ

AIエージェントは、自発的に物事を考え、能動的に目的遂行のためのプロセスに取り組む近未来型のAIだよ〜！

AIエージェントと生成AIの違い

生成AIは、文章や画像、音楽など新たなコンテンツを創り出すタスクに特化しています。

それに対してAIエージェントは、ユーザーからの依頼に基づいて実際の業務やタスクを自動で実行するシステムです。

	AIエージェント	生成AI
特徴	ユーザーの指示や最小限のサポートで、能動的にタスク遂行	ユーザーとの会話を通じてコンテンツ生成
用途	一部日常業務の自動化、検索、情報収集、データ分析、予約調査分析、コンテンツ生成	文章、画像、音声、動画、その他コンテンツの生成
サービス例	◾️Operator ◾️Manus ◾️Proxy ◾️Alexa+	◾️ChatGPT ◾️Claude ◾️Stable Diffusion ◾️SunoAI ◾️Sora

＜生成AI＞
主に「クリエイティブなアウトプット」を提供します。たとえば、記事の執筆やプログラミングコードの生成、画像・動画の生成などです。
＜AIエージェント＞
与えられた目的に沿って、情報収集、判断、具体的なアクションの実施など、タスクの自動化に重きを置いています。
＜AIエージェントと生成AIの違い＞
つまり、生成AIが「新しいものを作る」ことに特化しているのに対し、AIエージェントは「目的達成のための作業工程を自動で遂行する」役割を果たします。

生成AIは、あくまでコンテンツ生成だけにとどまりますが、AIエージェントならゴールを目指す過程でコンテンツ生成やデータ分析、他のサービスを利用するなどのアクションの実行を行います。

いずれは「AIエージェントが他の生成AIを使いこなす」というような事象が発生し、人間だと何年もかかるようなビッグコンテンツを短時間で作り上げるかもしれません。

なえむ

AIエージェントと生成AIの両方を駆使すれば、個人でも企業の労働力や生産性を上回ることはできるかもね〜

AIエージェントとAGIの違い

AGI（Artificial General Intelligence / 汎用人工知能）は、人間と同等またはそれ以上の幅広い知識や判断力を持ち、あらゆる知的タスクを自律的にこなしながら学習・成長できる強いAIです。

一方、現在普及しているAIエージェントは、特定の業務や目的の達成に特化した「弱いAI」として分類されます。

	AIエージェント	AGI
特徴	ユーザーの指示や最小限のサポートで、能動的にタスク遂行	人間のような汎用的な知能を持つAI。状況に応じた問題解決力や学習能力をもつ
用途	一部の日常業務の自動化、検索、情報収集、データ分析、予約、コンテンツ生成	生成AIやエージェントができることに加え、効率的かつスピーディに難解なタスクを処理できる。技術の進歩につながる科学的な発見も期待できる
サービス例	◾️Operator ◾️Manus ◾️Proxy ◾️Alexa+	2025年3月時点は無し

＜AGI＞
まだ実現途上の技術であり、未知の課題にも柔軟に対応できる、より汎用性の高い知能のことを指します。
＜AIエージェント＞
特定の分野やタスクに絞って高い効率で作業を遂行する実用的なAIシステムです。
＜AIエージェントとAGIの違い＞
現状のエージェントは、特定の業務自動化には非常に有用ですが、全ての知的作業を網羅するAGIには及びません。

例えば、あなたがAI専門のインフルエンサーだとします。

今以上のフォロワーを獲得するために、「多くのエンゲージメントを獲得できるポストを作成・投稿すること」をAIエージェントに指示します。

するとAIエージェントは、「どのようなAI投稿がバズるのかをリサーチ」した上で、あなたのSNSアカウントにログインし、洗練されたポストに仕上げて投稿します。

一方で、AGIなら目標達成に向かってあらゆるタスクを勝手に実行するでしょう。

先ほどのAIエージェントは、確かに「ポストを作成・投稿する」ということを実行したかもしれません。

しかし、「エンゲージメントを獲得すること」や「フォロワーを獲得すること」など指示を出すユーザーの本当の目的は達成されていません。

AGIなら、この目的を達成するためにトライ＆エラーを繰り返し、ポストの投稿に並行して他の作業を自発的に進めるようになるはずです。

ブログ構築・作成
InstagramやYouTubeアカウント作成、投稿
他のXアカウントを作成し、相乗効果を狙う
予算や権限の範囲内で広告を出稿し、集客する
インフルエンサーのポストにリプを送り、露出や関わりを増やす

もちろんその間に、流行的な手法を学習したり、ABテストの試行から導き出された効果的な文章構築ノウハウをもとに投稿文に磨きをかけたりなど、自己研鑽も惜しまないでしょう。

これらはあくまで筆者の予想ですが、近い将来、AGIのベータ版は完成し、人間社会に大きなインパクトを与えると考えています。

人間の専門家レベルのAGIが少ない指示により年中無休で稼働し続けるとしたら、それを扱う優秀な人材は今以上に潤沢な資金と時間を確保できるでしょう。

なえむ

先にホワイトカラーの業務がAGIに代替されていくだろうね。高性能ロボットが完成し、それにAGIを搭載できるようになれば、ブルーカラーの業務も減退していくと思う…。昔SFマンガで見たような未来が近いところまで来ているとなると恐ろしいね〜

＼ AGIの進化系「ASI」とは？AGIとASIの比較はこちら／

AGI（汎用人工知能）とは？AI・ASIとの違いや実現後の社会について解説

AIエージェントのメリット3選

AIエージェントの導入によって得られる主なメリットは、以下の通りです。

業務効率化
個別最適化
自律的なタスク遂行

順番に見ていきましょう。

①業務効率化

AIエージェントは、日常的な定型作業や繰り返しの業務（例：情報収集、データ入力、レポート作成）を自動化可能です。

これにより、従業員はよりクリエイティブで付加価値の高い業務に専念でき、全体の生産性向上が見込めるでしょう。

一例として、以下のような役割分担が考えられます。

【AIエージェント】

自社製品を導入すれば課題解決できる企業をAIがリサーチ・分析
見込み客をリストアップ
企業ごとの課題やニーズを明文化
自社と同業他社の違いや自社製品の強みをドキュメントにまとめる
顧客ごとのニーズに合わせた提案書や、実績データを含むデモ資料を作成
クロージング戦略の策定
プレゼン準備（プレゼン資料や想定される質問・反論に対する回答の作成）
AIエージェントに任せられそうな重要度の低い企業へのメール営業

【人間】

AIエージェントが用意した資料の確認
重要度の高い企業への外回り営業

これらの作業や業務を一人で行うとかなり大変です。

チームでやるにしても一定の時間や労力を割く必要があるでしょう。

しかし、情報収集・分析・生成のプロであるAIエージェントがあなたの代わりに行ってくれるので、これは非常に大きなメリットと言えます。

また、AIエージェントは24時間365日稼働できるため、業務のスピードアップや即応性も期待できるはずです。

②個別最適化

利用者ごとに蓄積されたデータをもとに、パーソナライズされたサービスや提案を実現します。

例えば、ECサイトであれば、過去の購入履歴や閲覧履歴を基に最適な商品のレコメンドが可能となり、AIエージェント自らが顧客に価値を伝え、顧客満足度の向上につなげられるでしょう。

顧客一人一人の満足度を高めると全体のリピート率が上昇するだけでなく、口コミという形で製品の良い評判が波及し、結果的に新規顧客を増やしながら既存顧客のLTV向上を狙うことが可能です。

人間よりも莫大な情報を抱え、正しくデータ分析し、わかりやすい形で顧客に情報を届ける…新入社員はもちろん、中堅社員でも案外できていないようなことがAIエージェントなら簡単に実行できます。

なえむ

会社経営の大きなコストとして挙げられる、採用教育費や人件費などを削減し、導入からすぐに現場で活躍できるAIエージェントのポテンシャルはすごいねーっ！

③自律的なタスク遂行

一度目標が設定されれば、エージェントは自律的に次の行動を判断して実行していきます。

これにより、細かな指示を毎回出す必要がなく、複数のタスクを同時に並行処理できるため、業務全体の自動化が進みます。

では、サービスのアクセスに必要な「ログインID」や「パスワード」を求められた際に、AIエージェントはどのようなこれらのセキュリティを突破するのでしょうか。

使用するエージェントサービスにもよりますが、2025年3月時点におけるAIエージェントは、その都度ユーザーに確認や入力を求める仕組みとなっています。

事前に入力項目を共有しておけば完全自動化になることも考えられますし、おそらく今後は、AIエージェントとパスワードマネージャーが連携して、よりAIが自由にアクションを起こせるようになると推測しています。

ちなみに、Googleが提供する「reCAPTCHA（リキャプチャ）」やCloudflareが提供する「Turnstile（ターンスタイル）」など、ロボットではなく人間であることを確認するシステムでは、すでにAIエージェントが突破する事例が出ているので問題ありません。

AIエージェントのデメリット2選

便利さの裏側には、いくつかの課題も存在します。

AIエージェントのデメリットは、以下の通りです。

精度や対応力の限界
倫理的・プライバシー上の懸念

順番に見ていきましょう。

①精度や対応力の限界

どれだけ高度なAIエージェントでも、非常に複雑な要求や学習データに含まれていない分野に対しては、期待通りの成果が得られない場合があります。

そもそもAIエージェントの機能を備えたAIサービスは登場間もない段階であるため、まだまだ荒削りな部分が多いです。

AIが考える最適解は経常的に出せるでしょうが、人間の意図を汲み取った最適解を常に提示し続けることは難しいでしょう。

今は、“自動で一定のタスクをこなしてくれるお手伝いさん”的な位置付けです。

ただ、各社が提供するAIエージェントは今後ますます進化していくことが予想されますので、精度や対応力に不満があったとしても、利用し続けるべきだと考えます。

②倫理的・プライバシー上の懸念

AIエージェントは個人データや企業情報を扱うため、データ漏洩や不正利用のリスクが伴います。

また、AIの自律判断プロセスはブラックボックス化しやすく、その判断基準が不透明になりがちです。

これにより、倫理面や法律面で問題が生じる恐れがあります。

AIエージェントには相応のリスクが発生しうる可能性があるということをきちんと認識した上で使用することを推奨します。

なえむ

そもそもセキュリティ上の観点から、利用者が登録するサービスのIDやパスワードを自動入力しない設定になっている場合もあるよ〜

AIエージェントのサービス3選

ここでは、特に注目される3つのAIエージェントサービスを紹介します。

OpenAI社の「Operator」
中国発の「Manus」
Convergence AIの「Proxy」

順番に解説していきます。

①OpenAI社の「Operator」

Operator（オペレーター）とは「OpenAIが試験的に提供を開始したChatGPTのAIエージェント版のこと」です。

2025年3月時点では、月額200ドルのChatGPT Pro加入者向けに提供し、ウェブ上の画面を自動で操作する機能を備えており、ユーザーからの指示に基づいて、ネットショッピングの注文手続きや各種オンラインサービスの操作を自律的に行います。

他にも以下のような用途が可能です。

営業メール送信
メール返信
SNS投稿

複数作業を同時進行でこなせる点が大きな魅力で、元々はアメリカユーザー向けに提供されていましたが、2月21日から日本ユーザーも利用できるようになりました。

最も不安に感じるセキュリティやプライバシー面ですが、以下画像の通り安心して利用できるでしょう。

残念ながら無料ユーザーへの解放はありませんが、興味のある方はぜひ利用してみてください。

なえむ

いずれは他の有料プラン（Plus、Team、Enterprise）も使えるようになるみたいだから、最新情報をチェックしておこうねっ！

OpenAI公式サイト

②中国発の「Manus」

Manus（マヌス）とは「中国のスタートアップが開発した、急速に注目を集める無料のAIエージェントのこと」です。

今天被Manus刷屏。通过制定不同的agent（工作流）不断的被llm调用，然后执行各种各样的工作任务。其实本质上依然是一个人缝合怪，但是的确做的非常漂亮。
对于大部分普通人来说，在庞大的agent工作室里面找到一个适合自己来进行工作的难度是不小的。Manus很好的解决了这个问题。… pic.twitter.com/iiajq3Z030
— Leon.Y (@StlightLeon) March 6, 2025

上の動画を見てもらえればわかりますが、非常に高速で複雑なタスクをこなすことができます。

求人応募書類の自動評価、不動産情報の収集・分析、さらには株価データの解析とWebアプリの自動生成など、多岐にわたる業務を同時並行で実行可能です。

Manusは真の汎用AIエージェントと呼ばれており、ベンチマークのGAIAにおいて他のAIの性能を上回っています。

※ GAIAとは、466もの質問を用いて実世界の日常的なタスク解決能力を評価する基準のこと

ユーザーがおおまかな指示を与えるだけで、それ以降は人間のサポートなしに目的達成までのプロセスを連続的に実行できる点がManusの強みです。

現状はクローズドベータ版であるため、「完全招待性」となっています。

3月16日時点では、サービスの利用に招待コードが必要ですが、以下画像のように公式サイトから招待リクエストを提出することで使用可能です。

必ず使用できるようになるかは不明ですが、これほど革新的なサービスを無料で使えるのは今だけかもしれないので、特段の事情がない限りはリクエストを送信してみましょう。

Manus公式サイト

③Convergence AIの「Proxy」

Proxy（プロキシー）とは「単純反復作業や簡易的なタスクを自動でこなしてくれる無料のAIエージェントのこと」です。

▶︎実際に「営業メールの作成」「見込み客リサーチ」「5件のリード獲得」「メール送信」まで一貫して行なってくれたProxy。株式会社サイバーエージェントを含む5社に対してほぼ全自動でアプローチをかけれた

すでにサービスの正式版がリリースされており、スケジュール管理やリード獲得・営業メール送信、フォームへの情報入力など様々なシーンでの活躍が期待できます。

一度の指示で複数のタスクを並行処理してくれるのが特長です。

＜無料プラン＞
Proxyで1日5回までのセッションができます。並行セッションは最大2つまで、カスタム自動化は1個までです。
＜有料プラン＞
Proxyの上位版にあたるAIモデル「DeepWork」が解放されます。加えて、無制限のセッション、並行セッションは最大5つまで、最大20個のカスタム自動化を構築できるようになるのが特徴です。

月額20ドルを支払うことで、複雑なワークフローをこなすAIワーカーチームによって構築された強力なAIエージェント「DeepWork」が解放されます。

しかも、無制限でAIエージェントを使用することができる上に、同時に最大5つまでのセッションを稼働し続けられるため、人手を不要として効率的に業務フローを進められます。

本AIエージェントは、人間とボットの区別をするGoogleのセキュリティサービス「reCAPTCHA」の画像認証も突破しました。

日本ではあまり話題になっていないProxyですが、その性能には目を見張るものがありますので、ぜひ無料版だけでも使ってみてください。

Proxy公式サイト